東京ガスのガスの科学館・がすてなーに(東京都・豊洲)にてe-メタン(合成メタン)の理解普及を図るBtoCのサイエンスショーを行ってきました。
興味関心を持っていただけましたら、また、このサイエンスショーを気に入っていただけましたら、全国各地に出張サイエンスショーとして出向きますし、このサイエンスショーのプログラム自体をパッケージとしてお譲りしますので、お気軽にご連絡ください。
ここでは
とお話ししています。
【e-メタンとは】
e-メタンとはイーメタンと読み「合成メタン」のことを言います。
ただし、メタンを作れば良いという訳ではなく、脱炭素製法で!作るメタンと言う定義です。
SDGsのゴール13に定義されている「気候変動に具体的な対策を」を達成するために、化石燃料である天然ガス(メタンガス)を使わずに、今直ぐにでも、脱炭素製法による合成メタンを使用する必要に迫られています。
【e-メタンのメリット】
都市ガスと言われているガスはLNG(液化天然ガス)でメタンガスを主成分とします。
その都市ガスは今も広く使用されています。
そのメタンガスを安全に使用できるよう様々な規制がありますが、e-メタンを使用すれば、基本的には全く同じメタンガスなので新たな規制を設ける必要がほとんどなく、しかも、既存の都市ガスインフラ・ネットワークがそのまま活用できるのです。
他の可燃性のガスも脱炭素製法で作れるのですが、メタンにこだわるのは上述の理由からです。
このサイエンスショーもここに重点を置いて台詞も流れも作っています。
【e-メタンのサイエンスショープログラム概要】
小さなお子さんとその保護者が主なターゲットとなり、しかも「観てもらうためには楽しんでもらわなければならない」のがサイエンスショーですので、このようなテーマ(訴求点)がしっかりしている場合には、特にプログラムには工夫が必要です。
<プログラム概要>
1.メタンの製法
まずはメタンの製法が高校の化学実験でも取り扱われている、個人としても作れるガスであることを理解してもらいつつ実証します。
試験管や集気瓶等々、理化学機器を多用するとイベントでも「理科っぽい」「科学者っぽい」イメージも出て、見た目としてもメリットが多数あります。
抽出したメタンガスは実際に燃焼して、可燃ガスがしっかり取り出せていたこともお見せします。
<気を付けること>
気体の発生量をモル計算・・・多量のメタンガスを発生させると可燃性ガスやガス中毒の恐れがありますので危険にならないよう算出して必要分だけの発生量に調整します。
集気したメタンガスの取扱い・・・発生したメタンガスは無色無臭のため燃焼したりする際の取扱いには慎重に行えるようルールを作っておきます。
実験の後片付け・・・メタンガスはもちろん、試験管に残った試薬等の処分も法令に準じて始末します。
※この方法でメタンガスは個人でも作れますが、アルコールランプでガンガンと熱することで二酸化炭素(CO₂)を発生します。
「このメタンの製法はに脱炭素製法ではない」ことをしっかり伝え、しかも非効率でもあることをしっかり示します。
<採集したメタンガスの燃焼>
大勢のお客さんの前で行うため、安全に安全を考えて、ショボい燃焼で短めにしています。
2.LNGのメタンガス
液体窒素を使って液化天然ガスを作ります。
メタンガスを液化することにより体積(かさ)が1/600倍に小さくなることを明確に分かるような数々の液体窒素実験で構成しています。
液化天然ガスも燃焼することをしっかりお見せします。
ここで、液体窒素を理解するためにキャッチーで小さなお子さんにも視覚的に楽しめる実験を取り入れます。
ただし、液体窒素実験があまりに目立ってしまうと、e-メタンの理解普及から逸脱してしまうので、さじ加減が重要です。
現行のエネルギーとして使用されているメタンガスは化石燃料として掘り出して、それをLNG(液化天然ガス)にし体積を小さくしてLNG運搬船で輸入されていることも伝えます。
したがって燃料としてメタンガスを使えば二酸化炭素と言う温室効果ガスを一方的に発生してしまうデメリットがあることも同時に伝えます。
3.e-メタンについて空気砲実験を取り入れた〇×クイズ
1.2.でメタンの性質や化石燃料として利用してきたメタンを理解し、下図のようなe-メタンは二酸化炭素(CO₂)を使って作られる脱炭素製法であること、そして、それがカーボンニュートラルのエネルギーとなることを「おもしろおかしく、ただし伝えなければならないメッセージはしっかり伝える〇×クイズ」として空気砲を使いながら、フィナーレとします。
実際に行ってみると、小さなお子さんも大人の皆さんも大いに楽しんで最後まで一体感を持ったサイエンスショーとなりました。
大盛り上がりのイベントでした。
e-メタンは今すぐにでも温室ガスを減らさなければならない世界レベルの課題を解消する手段ですので、多くの人に理解してもらい世論となり、その世論によって普及されるスピードが早まってもらえるようになればと願っています。
「地球温暖化STOPは今直ぐに行動しなければなりません」
を一人でも多くの皆さんに理解していただくために、面白く楽しく、目で見て驚きもあるサイエンスショーで広めていくのは効果的だと思いました。
【最後に】
化学実験には危険が付きものです。
でも、メタンの製法で使用した理化学機器を使う緊張感と感動は、非日常の感覚で、味わうと本当に楽しいですし、成功した際はじわーっと来る達成感を味わえます!
もちろん、危険な実験でもありますが、それは日常生活を過ごすことでも考えてみると危険がたくさんあるのと同じものなのです。
正しく取り扱い、そして正しく実験方法を確認して行えば、目近で正しい解答・真実を得られ、目近で貴重な体験ができ、何より安全を知ることができるのです。
安全性、そして化学変化・化学反応も含めた薬品の取扱いや実験の知識や経験を確立し、そこに「なぜ、この実験を行うのか」と言う意義と言った科学リテラシーも、しっかり持って臨むことができます。
目の前で起きる実験は画面から見られるモノとは全くの別物で、音、熱、風等を体感でき、迫力も断然異なります。
科学実験を見よう、やろう!
感動こそが原動力!
多くの子どもたちにが科学技術に憧れと夢を持ってくれますように。
そして、日ごろからの生活を科学的に考えられる科学脳を養おう!
さらに、科学技術によって住み易い地球が作られ、未来永劫続きますように。
と願いを込めて。
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