特別支援学校でもご依頼いただければ喜んでサイエンスショーを行います。
今回は、その一例として、行った際をまとめています。
とっても盛り上がり、サイエンスショー中も集中して観てくれました。
そして、先生方からもお褒めの言葉をたくさんいただきました。
他の公演等では、途中で立ち上がったり、どこかへ行ってしまったり、奇声を発したりするそうですが、そうしたこともなく、本当に善ちゃん側もやり易く進行できました。
そこで、大切と思えたことは「実験演目と構成」です。
やはり健常者とは、しっかりと区別して構成しなければなりません。
というのは、ストレッチャーの児童生徒もいますし、理科や科学を学ぶこともない小学生や中学生もいますし、また轟音等苦手な児童生徒もいるためです。
一方では、小学校までは普通の学校へ通い、中学生から特別支援学校へ通う生徒もいます。
そうした、事前の情報を多く、学校側から収集させていただくことが大変大切だと思います。
そこで、今回行った実験演目は以下のとおりです。
<実験演目>
1.ブーメラン投げ → 善ちゃんという人となりを紹介し、安全ながらもこれからのストーリーに期待を持ってもらうことを意識してもらう
正しい投げ方
重さの異なる2つのブーメランを投げて飛距離の違いを気付かせる → 「科学」というワードより「工夫」をキーワードとする
2.シャボン玉 → 多くの子どもが知っている遊びであるので価値観を共有でき(世界観の共有)、また、凄く簡単な実験でありながらも多くの工夫が施せる実験なので、意外性のある実験を見せると大きな驚きを得られる効果が期待できる
水に台所用洗剤を入れストローでシャボン玉を作る(吹き方も早く吹くかゆっくり吹くかで大きさが異なることを示す)
ストローを先割れに加工する工夫で大きなシャボン玉が作れる(切込みの深さを何段階か作って一層大きなシャボン玉を作る)
もっと大きなシャボン玉を作るために、太いストローとして直径5㎝程度の塩ビパイプ、更には直径12㎝程度の塩ビパイプで作ってみる
「吹く」行為は大きいと、たくさん息を使うので苦しいため、息を使わないで大きなシャボン玉を作る方法(工夫)として針金で環を作った道具を紹介し、それを使うと簡単に大きなシャボン玉ができることを見せる。
針金の環に毛糸を撒いた道具と先割れストローでシャボン玉芸「風車」を行う
軍手を使ってシャボン玉を弾ませる(ハス効果、ロータス効果) → 何回弾ませることができるか参加実験 → 善ちゃんがまず見本を見せて、その回数より超える子どもが出るまで行う
もっと弾ませる回数を増やす方法として「ヒアルロン酸化粧水」をそのシャボン玉液に少量入れて丈夫にし、弾ませた最高記録数を上回るよう弾ませる
【弾むシャボン玉参加実験風景】
3.静電気クラゲ → 単純に見て科学実験の不思議さを感じてもらえる代表的な実験であり、先に行ったシャボン玉とリンクして「シャボン玉実験の括り」としてまとめる
アクリル板でナイロンテープに静電気を起こし、帯電したペンシルバルーンで上部へ静電気クラゲを浮かす → 静電気の同極どうしの反発する性質の理解
塩ビ板でナイロンテープに静電気を起こし、帯電したペンシルバルーンで下の方に静電気クラゲを浮かす → 静電気のプラスとマイナスの吸着する性質の理解と帯電列の実験
帯電したペンシルバルーンでシャボン玉を浮かす(静電誘導) → シャボン玉を弾ませるより長持ちさせることができる工夫として行う
4.空気砲実験 → サイエンスショー構成の最後のブロックとして、集中している子どもたちが今度は体感等で騒ぎ動ける実験を行い、飽きさせずラストスパート。
段ボール空気砲で会場内へ歩き回り、児童生徒へ向けて放つ → 空気の塊を感じてもらう
段ボール空気砲へフォグマシンで煙を入れて放つ → どんな形の煙が出てくるかをおもしろい3択クイズとして出題し、正解を放って確認する
煙を入れた段ボール空気砲で児童生徒へバンバン放つ(※何回か繰り返す)
煙を入れた組立型段ボール空気砲の比較実験(段ボールの側面を叩く方法と段ボール後部から心太方式で煙を押し出す方法での飛び方の違いを観察する)
巨大空気砲 → 環がしっかり回転していることを目視してもらう(慣性の法則、ジャイロ効果)
と、約60分間のサイエンスショーを行いました。
その後、プラスαとしてゴムの実験道具(非常にお粗末なモノですが、この実験が面白いので皆さん喜んでもらってくれます)を配布し、ゴムに関する簡単なワークショップを行いました。
トータル90分間の公演もあっという間に終わったと先生方から言われました。
【仕草は大きくすることがポイントの1つ】
【お礼の言葉をもらって、オーバーに握手!】
<気を付けた(意識した)ポイント>
立振舞いは、いつも以上にオーバーに、そして、展開をゆっくりとする。
通常以上に拍手にこだわったり(拍手をあおり拍手をしてもらえたら「ありがとう」と伝えるなど)、児童生徒から発する声を多く拾ったりする。
実験は現象も仕掛けもシンプルであるモノを多く行う。
喋りでの効果を期待せず、観て楽しい実験を行うことに徹する。
他にも、いろいろと成功するポイントはありますが、今回の経験も新たな財産として積み重ね、もっと充実したサイエンスショーを特別支援学校向けに提供できるようにしたいと思っています。
このブログは自ら経験して培ってきた考え方やプログラムですので、くれぐれも同業のあなた! 真似をなさらないようお願いします。
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